2009年2月27日

ダンパーのお話

ネットをいろいろ探っていたら、こんなお話がありました。
 
為になったのでご紹介します。

すでに「わかっているよ~!」という方もいると思いますが、
 
私はあまり知らなかったです・・・

なんとなくは聞いた事はあったけど”クチュクチュ”してないしぃ~

ご興味のある方は長文ですので、気合を入れて読んでくださいね!

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突然ですが本日はダンパーの話。

ダイヤフラム式ダンパー&エアレーションダンパーについて少し掘り下げてみます。

まずダイヤフラム式ダンパー。DF-03やDT-02のアルミダンパーはこれです。

しっかりオイルを入れ、エアを抜いて手順に従ってダイヤフラムをきちんと載せ、あふれたオイルをぬぐってキャップを締めれば、初心者にも正しく組めます。なにしろシリンダーに満たされているのはオイルだけ。

こういう単純明快な流体のことを単相流といいます。

ストロークを詰めたり「引き」あるいは「パッツン」で組んでもダイヤフラム室で空気が縮むか伸びるかしているだけ。反発力が変わるだけで減衰力は変わりません。そのため、オイルやピストンの情報があれば、セッティングの再現率は高いのです。

このように、初中級者にやさしい扱いが楽なダイヤフラム式ダンパーですがピストンスピードの変化を無視すると、初期からフルストロークまで、シャフトがどのポジションでも効き具合は一本調子です。なので初期作動か絶対的な減衰力か、どちらか一方を犠牲にする必要があります。

そのためオフロードでは案外スイートスポットが狭く、多くの(コアな)EPオフロード屋さんがダイヤフラム式ダンパーを前にして眉をひそめるのはこのためです。


 
 
一方、
各社のハイエンドオフローダーがこぞって採用しているのがエアレーションダンパー。DB-01オーナーのほとんどの方がOP装着しているダンパーがこれです。

いったいエアレーションダンパー内部では、なにが起こっているのでしょう?
 


   タミヤバギー用エアーレーションダンパーセット 定価8,190円(税込)

 
エアレーションダンパーの作動油は、正確にはオイルではありません。泡=気体とオイル=液体の混合物です。

こういう微妙な流体のことを気液ニ相流 といいます。

オイル=液体は圧縮できませんが泡=気体は圧縮できます。

細かい泡が混ざったオイルは、極端にいうとオイルでできたスポンジ、もしくはムースみたいなものなのでストロークが小さい場合、入れたオイルの固さほどの減衰力は出てません。選んだ番手より、ずっと柔らかいオイルとして振る舞います。

細かい凹凸には素早く忠実に追従するため、結果としてタイヤの接地が良く保たれ、トラクションが向上します。一方で、ジャンプの着地など、深くストロークした場合シャフトの体積分、シリンダー内が加圧され気泡が圧縮されて小さくなり(←追い出されるわけではない)、作動油は単相流に近づいていきます。結果、ナマのオイルの固さが発揮され、しっかり踏ん張ります。

小さな凸凹に柔らかく素早く追従しストロークするに従って減衰力が高まる…エアレーションダンパーは一種の可変式ダンパーであり、簡単な構造で、電動バギーのように重量が軽いくるまがオフロードで走るためのニーズを見事に満たすため不動の地位を得てます。

魅力的なエアレーションダンパーですが、それは正しく組めていればの話です。

その機構上、正しく組むにはダイヤフラム式と異なり、独自のノウハウが必要です。最低限、作動油の特性を決定づける「空気とオイルの総量」は分離状態で把握し、管理してやる必要があります。そうしないとボイルの法則を引っ張りだすまでもなく作動の仕方・固さの変化はダンパー毎にてんでバラバラになってしまいもはやセッティングどころではありません。

てなわけで最初は正しく組めるよう、知識と習慣を身につけないといけません。セッティングも、慣れないうちは混乱するでしょう。だってね、オイル番手とピストンが同じであってもショック全長、「引き」で組むか、「パッツン」で組むかで減衰力も減衰特性も全く変わってきます。(気温・気圧も無視できないかも。)

ちなみに圧力が逐次変化する状況下での気液二相流の解析はとても複雑で、ボク程度の数学力では数式見た瞬間拒否反応が。orz数学得意な方は 「気液二相流 オリフィス」のキーワードでググってください。

ともかく、ある程度の知識や経験がないとセットを再現することはおろか一台分を正しく組上げることさえ難しいのです。

また、使用時にも注意しなければいけない点があります。時間が経てば当然オイルの中の気泡はオイル内を上昇し、ぬけてしまいます。つまり単相流モードに戻ってしまいますので、そのままだと固さが出すぎて足がちゃんと動いてくれない・ということがあります。

つまり走行前に全てのダンパーを十分撹拌 してやらないと、ヒート中に挙動が変わってしまいます。

エキスパートがスタート前にサスをクチュクチュとストロークさせているのを見たことありませんか?あれはおまじないではありません。エアレーションダンパーの中身をしっかり混ぜているのです。

以上とりとめもなくざっとダイヤフラム式ダンパーとエアレーションダンパーの作動原理の違いや長所短所を書き連ねてみました。

何かを感じ取っていただけると幸いです。ご参考まで(・ω・)ノ
 
 
 

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